比大統領、マラウィ解放を宣言 ISIS系武装勢力から
(CNN) フィリピンのドゥテルテ大統領は17日、過激派組織「イラク・ シリア・イスラム国(ISIS)」とつながりを持つ武装グループの侵攻を受けていた南部ミンダナオ島のマラウィ市について、5カ月にわたる戦闘を経てこれを解放したと宣言した。地元のCNN系列局が報じた。
マラウィはイスラム教徒が住民の多数派を占める。5月の終わり、ISISに忠誠を誓う地元のイスラム過激派「マウテグループ」のメンバーが街の一部に突如侵攻し、支配下に置いた。
フィリピン軍のエドゥアルド・アノ司令官によれば、その後の150日近い軍との戦闘で武装グループの戦闘員800人以上、政府の治安部隊隊員162人が死亡した。これまで1700人前後の人質が救出されたという。
市街戦と空爆のため多くの家屋ががれきと化し、35万人を超える住民がマラウィからの脱出を余儀なくされた。
解放宣言前日の16日には、ロレンザーナ国防相が武装グループの幹部2人を殺害したと発表していた。
殺害されたのはマウテグループを率いるオマル・マウテ容疑者と、ISISの東南アジア指導者に指名されたイスニロン・ハピロン容疑者。フィリピン軍のアノ司令官は記者会見で両容疑者について、4時間にわたる銃撃戦の中で、通りに面した建物から出ようとしたところを他の7人の戦闘員とともに殺害されたと説明した。マウテ容疑者は狙撃手によって頭部を撃たれたという。
両容疑者の遺体は人質だった人物が確認し、本人たちと特定された。