金正男氏殺害事件、被告2人が立ち会い現場検証 マレーシア
(CNN) 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キムジョンナム)氏がマレーシアの空港で殺害された事件で、マレーシア当局は24日、殺人罪などに問われている女2人を立ち会わせてクアラルンプール国際空港で現場検証を行った。
正男氏殺害の罪に問われているのはインドネシア人のシティ・アイシャ被告と、ベトナム人のドアン・ティ・フォン被告。2人とも防弾チョッキを着け、大勢の武装警官に囲まれて、正男氏が襲撃を受けたとされるチェックインカウンターなどの現場検証に立ち会った。両被告の弁護団や、公判を担当する裁判官、検事なども同行した。
現場検証は同日正午ごろまでに空港内のトイレやコーヒーショップなど20カ所以上で行われたほか、正男氏が運ばれた診療所や、両被告が襲撃後に向かったタクシー乗り場にも立ち寄った。両被告は1時間以上歩き回った後に疲れを訴え、車椅子に乗せられた。
正男氏は今年2月、マレーシアから自宅のある中国・マカオに戻る途中、同空港で襲撃された。マレーシア当局は、両被告が北朝鮮の工作員に訓練されて、正男氏の顔面に神経ガスのVXをなすり付けたと見ている。
両被告は無罪を主張しているが、有罪になれば死刑を言い渡される可能性もある。北朝鮮は一貫して、事件への関与を否定している。
現場をとらえた防犯カメラの映像には、両被告が背後から近づいて、正男氏の顔に手を当てる姿が映っていた。2人とも、だまされてテレビ番組の悪ふざけだと思ってやったと主張している。