「欧州は白人の地」、極右デモに6万人 ポーランド独立記念日
ポーランド・ワルシャワ(CNN) ポーランドの独立記念日にあたる11日、首都ワルシャワで国粋主義団体主催のデモ行進が行われ、警察の推計で約6万人が参加した。
参加者は「ヨーロッパは白人の地」「イスラム教ホロコーストの祈りを」などと書かれた横断幕を掲げて市内を行進。覆面姿で紅白のポーランド国旗を掲げ、「祖国の敵に死を」「ポーランドはカトリック国。世俗国ではない」というスローガンを唱える参加者もいた。
デモ参加者の大多数はポーランド人だったが、欧州各地から来た人たちも加わった。
この日のデモを主催した団体の一つは、イスラム教徒の移民や同性愛者の権利、欧州連合(EU)の存在などをカトリックの価値に反するとみなし、過去にもデモ行進を行っていた。
こうした団体の支持者はまだ少数にとどまる。しかしポーランド政府が犯罪や疾病を移民と結びつけるなど国粋主義的傾向を強めているとの批判もあり、そうした傾向が不寛容や外国人に対する憎悪を増長させてきたとの指摘もある。
ワルシャワではこの日、国粋主義団体のデモを非難する集会も開かれたが、参加者ははるかに少なかった。
ポーランドは123年間にわたりロシア帝国などによって支配された歴史を経て、1918年11月に独立した。しかしここ数年は、極右集団によるデモ行進が独立記念日に影を落としている。
ポーランドのドゥダ大統領はワルシャワ中心部で行われた独立記念式典で無名兵士の墓に献花し、自由と独立の代償を忘れてはいけないと呼びかけた。