ムガベ大統領、軍司令官と協議 政情不安のジンバブエ
ジンバブエ・ハラレ(CNN) アフリカ南部ジンバブエで軍が首都ハラレを掌握した件に関連し、苦境に立たされているムガベ大統領が軍のチウェンガ司令官と会談している様子をとらえた一連の写真が16日、親大統領派の地元紙により公開された。
ムガベ氏の姿をとらえた画像が公開されたのは、軍がクーデターとみられる動きに踏み切り、同氏を15日朝に自宅軟禁下に置いて以降初めて。
一連の写真には、移行政権発足に向けた協議を仲介していると先に報じられていた聖職者や、南アフリカの特使2人らの姿も写っている。
写真の中のムガベ氏は、落ち着いてチウェンガ司令官と会談しているように見える。同司令官は13日、ムガベ氏がムナンガグワ副大統領を解任して政治的混乱を誘発したことを受け、ムガベ氏に対し軍の介入の可能性を警告していた。
ジンバブエを37年にわたり統治してきたムガベ氏は、国軍指導部や自党幹部の反逆に直面する中でほとんど実権を失っている。ただ、依然として公に発言はしておらず、軍幹部による退陣の説得が難航していることがうかがえる。
クーデターとみられる動きを受け、主要な野党指導者のツァンギライ元首相はハラレに帰還。16日には、ムガベ氏に対し辞任を要求した。
野党「民主変革運動(MDC-T)」の情報筋は一連の動きに先立ち、移行政権発足に向けた協議が進行していることをCNNに明かし、大統領の退陣は「既定路線」だと主張。「権力の移行が進んでおり、地域の有力勢力からも暗黙の了解を受けている」と述べていた。