米軍のアフガン空爆激増、ISIS退潮で兵器動員に余裕
(CNN) 米空軍は25日までに、アフガニスタン内の反政府武装勢力タリバーンや過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の拠点に対する空爆の回数が今年10月激増し、用いた爆弾やミサイルなどは計653発と前年同月の203発の3倍以上に達したことを明らかにした。
アフガンを含む地域での作戦を仕切る空軍中央司令部が報告した。イラクやシリア両国内でISIS勢力の退潮が進んで支配地が縮小し続け、それだけ空爆の標的が減少していることなどを反映している。
ISIS掃討作戦に出動させていた偵察用の小型無人飛行機(ドローン)やF22型戦闘機などの兵器に余裕が生まれ、アフガンへ回すことが出来るようになったことを意味する。
アフガン軍事作戦などに絡み米空軍は2012年から使用した爆弾や兵器のデータ公表を始めていたが、653発はこれまでで過去最高の水準としている。12年当時、アフガン駐留米軍は10万人を超える規模だった。現在は約1万4000人。
オバマ前大統領時代、米軍はISISや過激派アルカイダへの自由な攻撃は認められていたが、タリバーンに対しては特定の状況下のみとの制約があった。しかし、新たなアフガン戦略を打ち出したトランプ大統領はこの条件を取り外したという。
アフガンで今年これまで実施された空爆回数はイラク、シリア両国内での総数の10%にも満たない。ただ、イラク、シリア両国で今年10月に投下された爆弾などの数は14年11月以降では最少だったという。