ムナンガグワ氏が新ジンバブエ大統領に就任 「クロコダイル」の異名
ハラレ(CNN) ジンバブエのムガベ前大統領が40年近くに及んだ統治の末に辞任したことを受け、ムナンガグワ前副大統領が24日、暫定大統領に就任した。首都ハラレの国立競技場で行われた就任式では、ムガベ氏を自らの「良き師」と呼び賛辞を送る一方、貧困や腐敗への対応など新たなビジョンを打ち出し前政権との違いを強調した。
抜け目のない長期に渡る政治生活から「クロコダイル」の異名を持つムナンガグワ氏は、そのキャリアの大半をムガベ氏の側近として務めてきた。反対派が現状維持を図る勢力の一員としてムナンガグワ氏を位置付けようとするなか、初の正式演説ではムガベ氏と自身の違いを見せようと試みた。疲弊した経済の活性化やまん延する汚職の根絶など、ジンバブエを貧困から脱却させる改革を実施すると誓った。
ムナンガグワ氏はムガベ氏の失脚に関わったことを先に認めている。だが今回は、ムガベ氏を国民的英雄として称賛。「彼は国家独立に向けた闘争のなかで我々を導いてくれた。国家形成期の非常に難しい時期に指導者としての責任を担った」と述べた。
就任式が行われた首都ハラレの国立競技場には数万人が集まり、歓声を上げてダンスを踊り、国旗を振った。ムナンガグワ氏が就任宣誓で、「ジンバブエ国民の権利を守り推進していく」と誓うと、観衆からは大きな拍手が上がった。その多くはムガベ氏の圧政の下でこれまでの全生涯を送ってきた人々だ。