米のエルサレム首都承認で各地抗議デモ、衝突で負傷者も
エルサレム(CNN) 米国のトランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と宣言したことを受けて7日、パレスチナのヨルダン川西岸やガザ地区、エルサレムなど各地に抗議デモが広がった。衝突による負傷者も相次いでいる。
エルサレム東部にあるダマスカス門の前には数十人が集まり、「私たちはエルサレム人。エルサレムに帰属する」と声を上げた。エルサレムで育ったという女性(45)は、「トランプ大統領に、エルサレムはもうお前たちのものではなくなったと言われたようなもの」「インティファーダ(民衆蜂起)はすぐそこまで来ている」と憤る。
キリスト教を信仰するパレスチナ人の男性(43)は「米国がその言葉とは裏腹に、誠実な仲介者としての立場に立っていなかったことが、これではっきりした。2国家解決という和平プロセスにとどめが刺された」と失望感を示した。
ヨルダン川西岸ラマラ中心部の広場にも7日早朝から大勢の人が集まって、インティファーダを呼びかけた。パレスチナとイスラエルが1993年に交わした「オスロ合意」の破棄を呼びかける男性(48)は、「イスラエルとの関係を断ち、第3のインティファーダを始めるべきだ」と訴える。
ヨルダン川西岸のベツレヘムやラマラ郊外では衝突が発生。イスラエルの兵士がパレスチナ人に対し、放水やゴム弾を浴びせた。
パレスチナ赤新月社によれば、西岸ではこの日の衝突で、催涙弾やゴム弾によって少なくとも49人が負傷した。
ガザ地区では6日から7日にかけてデモが続き、米国旗やトランプ大統領の写真を燃やすなどの抗議行動を展開している。