訪朝終えた国連事務次長、誤算生じる「高いリスク」に懸念
(CNN) 北朝鮮訪問を終え米国に戻った国連のフェルトマン事務次長(政治担当)は14日、CNNのインタビューに応じ、「紛争へと向かう偶発的な動きに関し心から懸念している」と述べ、「意思疎通の欠如」や「何らかの誤算が生じる高いリスク」について懸念を表明した。
フェルトマン氏は2011年以降に北朝鮮の首都平壌を訪問した人物としては最高位の国連当局者に当たる。平壌では、外相を含む複数の北朝鮮当局者と15時間以上をかけて話し合ったという。
フェルトマン氏は今回のインタビューの中で、「彼らの胸中で信頼心が欠如していることから、短期的には外交を通じた対話ではなく軍事的抑止策に頼らざるを得ない状況につながった」と指摘した。
そのうえで、長期的にみた場合の外交の必要性については北朝鮮当局者も理解しているとし、「少なくとも長期的な目標としては、朝鮮半島の平和的な非核化や、外交解決に基づく何らかの取り決めが必要だと理解していると思う」と述べた。
北朝鮮当局者の姿勢に関しては、「米政府から出る発言などを非常に気にかけている」と指摘。また北朝鮮当局者に対し、同国の核・ミサイル開発は国連だけでなく、国際社会全体の懸念事項だと改めて伝えたことも明らかにした。
ただフェルトマン氏は、北朝鮮当局者は自らとの会談に積極的な姿勢で臨んでいたと説明。「我々が平壌に滞在していた4日半の間、彼らはこちらの話のポイントに極めて注意深く耳を傾けていた」としたうえで、「我々が述べたことを受け入れるかどうかは分からないが、国際社会がこれほど危機感を覚えている理由については丁寧に聞いていた」と述べた。