韓国沿岸警備隊、中国漁船に機関銃射撃 実弾250発
(CNN) 韓国沿岸警備隊は、同国南西部沖合の可居島付近で韓国の領海に侵入した中国漁船に対し、機関銃などから実弾約250発を発砲したことを明らかにした。これに対して中国外務省は20日、深刻な懸念を表明した。
沿岸警備隊の発表によると、19日に韓国の領海に侵入した中国船40隻あまりを阻止して退去を命令。中国船の船首に向けて警告射撃を行い、機関銃から約180発、ライフル銃や散弾銃から約70発を撃ち込んだ。
これに対して中国外務省の華春瑩報道官は20日、「韓国側が事態に対して適切に対処し、取り締まりに際して人命を危険にさらしかねない過剰な行為を慎んで、中国の漁師の安全と正当な権利を保障するとともに、中国側とのコミュニケーションを強化するよう望む」と語った。
韓国沿岸警備隊は20日の発表の中で、中国船が韓国沿岸警備隊の船舶に突進しようとしたと説明。「鉄の棒や金網で装備した中国船が、(沿岸警備隊の)退去通告を無視して、巡視艇に向かって突進してきた」としている。
沿岸警備隊の巡視艇に向かってくる船の船首に向けて、機関銃から銃弾が撃ち込まれる映像も公開された。
国連海洋法条約では、各国の沿岸から200カイリまでを排他的経済水域(EEZ)と定めている。韓国と中国の間の海ではこの水域が重複することから、両国は2001年に二国間漁業協定に調印していた。
韓国沿岸警備隊は、中国船が漁業協定で合意した境界を越えて1カイリ侵入したことから、公海へ戻るよう命じたとしている。