ミャンマー、国連特別報告者を入国禁止に 「不公正な報告」
(CNN) ミャンマー政府は20日、同国西部ラカイン州で起きた衝突について調査している国連特別報告者に対し、偏見に基づく不公正な報告を行ったという理由で、入国禁止を通告した。国連が同日明らかにした。
国連の発表によると、ミャンマー政府は同国の人権問題を担当する国連特別報告者の李亮喜氏に対し、ミャンマーとの一切の接触を拒み、協力も撤回すると通告した。
李氏はミャンマー政府の決定に失望を表明。「非協力の宣言は、ラカイン州だけでなく同国全土で何か非常に恐ろしいことが起きていることを強く示唆している」と批判した。
一方、ミャンマー政府報道官はCNNの取材に対し、「李氏は公平な姿勢で職務に臨まなかった。同氏を信頼することはできない」と強調している。
この前日にはミャンマーの国営メディアが、ラカイン州の州都シットウェ北部で、10人の遺体が集団で埋められているのが見つかったと伝えていた。この問題については軍が調査を予定しているという。
ラカイン州の衝突では、8月下旬以来、少数派イスラム教徒のロヒンギャ65万人あまりが隣国バングラデシュへ逃れた。国連や米国は、今回の暴力が民族浄化に当たるとの見方を示している。