法王が中東情勢に言及、クリスマスミサで「2国家解決」訴え
(CNN) ローマ法王フランシスコは25日に発表した毎年恒例のクリスマスメッセージの中で、イスラエルとパレスチナの対立に言及し、平和的な2国家解決を訴えた。
この問題では米国のトランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と宣言したことに対し、国連総会で数日前に非難決議が採択されている。
フランシスコ法王は「互いが合意し、国際的に承認された国境における、2国家の平和的な共存」を促し、「イエスは中東の子どもたちの中にいて、イスラエルとパレスチナの間の緊張が高まる中で、今も苦しみ続けている」と指摘。「エルサレムとすべての聖地の平和を主に願い、対話の再開と交渉に基づく解決が実現できることを祈る」と語った。
さらに、「国際社会において善意に動かされる者たちが、重い障害を乗り越えて、あの苦しみの地が長い間待ちわびてきた調和と公正と安定を見出す努力を、主が支えますように」と祈りをささげた。
信者らに対しては、シリアとイラクのためにも祈るよう呼びかけ、国際社会が忘れかけているイエメンの子どもたちの窮状にも脚光を当てている。
少数派イスラム教徒ロヒンギャの迫害が伝えられるミャンマーについては、「私はミャンマーとバングラデシュ訪問中に出会った子どもたちの中にもイエスを見た。この地域の少数グループの尊厳が確実に保障されるよう、国際社会が取り組みを継続することを望む」と語った。ただ、ロヒンギャという言葉は使わなかった。