フジモリ元大統領、入院姿でビデオ声明 反対派に謝罪 ペルー
(CNN) 健康状態の悪化を理由に恩赦を与えられたペルーのフジモリ元大統領(79)が、チューブを装着されて病院のベッドに横たわった姿でビデオ声明を発表し、抗議を続ける国民に謝罪するとともに、クチンスキー大統領に謝意を表した。
フジモリ元大統領は人権侵害の罪で禁錮25年を言い渡されて服役していたが、健康状態の悪化を理由に24日、恩赦が与えられた。
フェイスブックに掲載したビデオ声明では、「人道的恩赦がクチンスキー大統領によって認められたというニュースは、集中治療室にいる私にとって驚きだった」と告白。「私の政権時代の実績は、一方では好意的に受け止められた。だが他方では失望させたことも認識しており、そうした方々に心より謝罪する」と表明した。
恩赦の決定については、「大統領が下した複雑な決断に深く感謝しなければならない。私の人生の新たなステージにおいて、私は大統領の和解の呼びかけを強く支持することを約束する」と述べ、「クチンスキー大統領の寛大な姿勢に勇気づけられた」としている。
首都リマでは恩赦に対する抗議デモが2夜にわたって続いた。25日にはフジモリ氏が入院する病院前でデモが開かれ、一部からは「裏切り者」「恩赦を撤回しろ」などの叫び声も上がった。警官隊との衝突も発生し、デモ隊に向けて催涙ガスが使われた。