東シナ海で衝突・炎上のタンカーが沈没、乗員の生存絶望的
北京(CNN) 中国沖の東シナ海で貨物船と衝突して炎上した石油タンカーが14日、沈没した。国営中国中央テレビ(CCTV)が報じた。現状で乗組員の生存は絶望視されている。
衝突事故から1週間が経過した同日、タンカーは1度爆発し、炎を噴き出した後で沈んだという。
タンカーはパナマ船籍で、イランの国営企業が運航していた。6日午後8時ごろに香港船籍の貨物船と衝突し、タンカーに乗っていたイラン人30人、バングラデシュ人2人の乗組員が行方不明になっている。貨物船に乗務していた中国人21人は、全員救出された。
中国主導の下、複数の国が行方不明者の救出活動に参加。イランは海軍の特殊部隊が高速艇での救出を試みたが、爆発による高熱のためタンカーに近づくことができなかった。
14日の時点で3人の遺体が回収された。イランの捜索隊の報道官は、貨物船の乗組員や救出作業に当たった隊員らの証言から、タンカーの乗組員は事故後の早い段階で爆発や有毒ガスのために死亡した公算が大きいとの見解を示した。
遺体の回収については相次ぐ爆発と強風、高波が作業の妨げになったという。
タンカーは全長274メートルで石油13万6000トンを運んでいた。中国国営新華社通信は14日、現場で石油の流出が発生していると報じた。