マヨン火山で溶岩流出、住民数千人が避難 フィリピン
(CNN) フィリピン・ルソン島にあるマヨン火山で再び噴火活動が始まり、住民数千人が避難している。フィリピン火山地震研究所は15日、斜面を溶岩が流れ、大きな噴煙が上空に立ち上る写真を公開した。
当局はマヨン火山で蒸気や溶岩が観測されたこと受け、噴火の恐れが強まったとして、14日にルソン島南部の警戒レベルを引き上げていた。
現地のCNN系列局によると、住民約3000人は火山灰が噴出する中で避難した。
火山地震研究所によれば、14日午後には蒸気の噴出や岩石の崩落を確認した。火口には溶岩が見え、新しい溶岩ドームが形成されて、南部の斜面に向かって溶岩が流れ始めていた。
当局は火山から半径11キロの範囲を危険区域に指定し、岩石の落下や地滑り、突然の爆発、溶岩ドームの崩壊などが起きる可能性があるとして警戒を呼びかけている。山頂付近の飛行も禁止された。
山麓(さんろく)付近の900世帯あまりには、先の週末にかけて避難命令が出され、住民は近隣の避難所に身を寄せている。
ただ火山地震研究所の専門家は、これまでの活動が爆発的な噴火につながらない可能性もあると指摘。「爆発を伴わない噴火によって、溶岩が火口から流出することもある」と解説する。
マヨン山は、世界の中でも特に活動が活発な火山として知られる。1616年以来、47回の噴火を繰り返し、2014年にも数千人の住民が避難。13年には登山家5人が噴火に伴う岩石の落下で命を落とした。
最も被害が大きかった1814年の噴火では、少なくとも1200人が死亡している。