「イランはシリア支配を画策」、イスラエル国連大使が主張
ワシントン(CNN) イスラエルのダノン国連大使は26日までに、国連安全保障理事会の会合でイランに関する機密情報を公開すると述べ、同国がシリアを支配してイスラエルを破壊し、全世界を脅かそうとしていると主張した。
安保理会合ではイスラエル、パレスチナ間の和平交渉をめぐる話し合いが予定されていたが、ダノン氏はイラン批判に焦点を絞り、同国が「シリア全土を世界最大の軍事基地に仕立て上げようとしている」と非難した。
同氏によれば、シリアにいるイラン当局直属の戦闘員は8万2000人に上る。この中にはイランの精鋭部隊、革命防衛隊の3000人に加え、イスラム教シーア派組織ヒズボラの9000人、「イラクやアフガニスタン、パキスタンなど中東全域から集められた暴力的なシーア派民兵」1万人が含まれているという。
イランはさらに、シリアの戦闘員6万人を直接指揮し、シリア国内にミサイル工場を建設しているとされる。
ダノン氏は、2015年に欧米など6カ国がイランの核開発縮小の見返りに制裁を一部緩和した核合意を批判し、欧州諸国はイランと取引することで同国の軍事活動に加担しているとの見方を示唆した。
そのうえで「イランの最初の標的はイスラエルだが、次はあなたたちだ」と警告し、国際社会全体が憂慮すべき事態だと強調した。
これに対してイランのホシュルー国連大使は、米国とイスラエルは最近、イランへの嫌悪感を広めようと躍起になっていると反論。イスラエルによる入植地建設や核、化学兵器保有疑惑を挙げて、実は同国こそが中東の平和と安定を脅かす主な原因だと述べた。