水を運んで干ばつの町を救え、SNSで支援拡大 南ア
(CNN) 歴史的な干ばつに見舞われている南アフリカ第2の都市、ケープタウンの住民を救おうと水の寄付を募る運動がインターネット上で急速に広まっている。
運動を始めたのは同国内の別の都市、イーストロンドンに住むタリタ・バン・デル・ヒーバーさん。1歳半の娘にミルクを飲ませている時、ケープタウンの水が4月にも枯渇するというニュースを読んだ。
水がなければミルクも作れない――そう考えたバン・デル・ヒーバーさんは、対話アプリ「ワッツアップ」で市内の知人約300人に支援を呼び掛けることにした。
トイレの水を流したり水道の蛇口を開いたりする当たり前の音が、ケープタウンからはまもなく消えてしまう、と訴えた。
5リットルボトルに入った水を2本ずつ寄付してほしいと呼び掛け、集積場所を募った。農場育ちで、ケープタウンから作物を運んでくるトラックが空の状態で帰ることを知っていたので、そこへ水を載せてくれるよう頼むことにした。
丸1日もたたないうちに、知人や企業から寄付の申し出が殺到し、農場からは運搬用のトラックを無料で提供するとの声が寄せられた。電話は鳴りやまず、ワッツアップには次々にメッセージが届く。
南ア国内のダーバンやヨハネスブルク、さらには隣国ナミビアからも連絡が入るようになった。すでに各都市で数十トンの水が集まっているという。
南アの災害救援団体、ギフト・オブ・ザ・ギバーズがバン・デル・ヒーバーさんと協力して、ケープタウンに水を送る正式なプロジェクトを立ち上げた。「南ア全国の70カ所以上でボトル集めが始まっている」という。