汚職疑惑のズマ大統領が辞任、長期政権に幕 南ア
(CNN) 南アフリカのズマ大統領は14日、テレビ演説を行い、辞任を表明した。ズマ氏は数々の汚職疑惑に直面しており、与党アフリカ民族会議(ANC)の支持も失っていた。
ズマ氏は演説で、「私の名の下に人命の喪失やANCの分裂が起きる事態があってはならない」と説明。「このため、直ちに辞任するとの決断に至った」と述べた。
ANCは同日これに先立ち、大統領不信任案の議会採決を求める異例の措置に踏み切った。前日には、内々での退陣の説得に失敗したことを受け、党関係者が公にズマ氏の辞任を要求していた。
ズマ氏は辞任発表後、自党の決定には賛成できないとし、自身は常に「ANCの規律ある一員だった」と強調。そのうえで、引き続き国民とANCのために尽力していくと表明した。
ズマ氏は8年以上に及んだ在任期間中、野党による度重なる追い落とし工作を切り抜けてきた。
野党・民主同盟のマイマネ党首はズマ氏について、辞任の時期が迫っていたとし、汚職容疑で裁判にかけられるべきだと主張した。
また、15日の国民議会で自党の大統領候補を擁立する方針も表明。ANCがラマポーザ議長の大統領選出に向けて動くなか、必要とあればこれに対抗する構えを示した。
ズマ氏をめぐっては、南ア憲法裁が昨年、私邸の改修に使われた多額の公金を返還するよう命令。ズマ氏はこのほか、1990年代の武器取引に関連して783件以上の汚職疑惑にも直面していた。同氏はいずれの汚職疑惑も否定している。