米欧がロシア外交官100人以上を追放 元スパイ襲撃に報復
メイ氏が英議会で明らかにしたところによると、暗殺未遂事件では英南西部ソールズベリーの現場周辺にいた市民130人以上が神経剤の被害を受ける恐れもあった。実際に50人以上が病院で検査を受けたという。
神経剤を使われたロシアの元スパイ、セルゲイ・スクリパリ氏と娘のユリアさんは依然として重体。医師団は先週末、2人の容体は当面改善する見込みがなく、完全な回復は望めないかもしれないとの見方を示したという。
トランプ氏は先週、ロシア大統領選で再選を決めたプーチン氏に電話で祝意を伝えたが、米政権高官らによるとこの時は暗殺未遂事件の問題に言及しなかった。しかし高官の1人は、対抗措置の決定にはトランプ氏が当初からかかわり、担当チームと会合を重ねたうえで本人が決断を下したと話している。
米国には現在、ロシアの情報要員が100人以上駐在していると推定される。ロシアはかねて、米国による外交官追放には報復措置を取る構えを示してきた。2016年には米国のオバマ前政権が、ロシアによる米大統領選介入に対する制裁措置として外交官35人を追放していた。