英仏、対シリアで米国に支持表明 軍事的緊張高まる
(CNN) 英政府は12日に開いた閣議で、米国のシリアに対する軍事行動を支持する姿勢を示した。シリアのアサド政権が、国民に対して化学兵器を使った可能性は「極めて高い」との判断を示し、そうした行為は容認できないと強調している。
フランスのマクロン大統領も、アサド政権が反体制派の支配地域ドゥーマで化学兵器を使った「証拠」があると主張、米国のいかなる行動も支持すると表明した。
英首相官邸の発表によると、12日の閣議では、「アサド政権によるこれ以上の化学兵器使用を阻止」するため、行動を起こす必要があるとの認識で一致した。ただ、英国が具体的にどんな措置を取るのかは明言しなかった。
メイ首相は今回の攻撃について、「衝撃的かつ野蛮な行為であり、子どもを含む75人が、最も恐ろしく非人道的な手段で殺害された」と形容。英国は米国およびフランスと連携して、国際的な対応の調整に当たると表明した。
同日夜には米国のトランプ大統領とシリアに対する国際的対応について電話で協議し、「アサド政権が化学兵器の使用に関連した危険な行動パターンを確立した」との見解で一致したとしている。
これに先立ちアサド大統領は、反体制派の支配地域ドゥーマで化学兵器が使われたとされる情報は「でっち上げ」だと述べ、欧米諸国によるシリア攻撃を牽制した。
一方、トランプ大統領はシリアに対する軍事行動について、11日のツイッターで「覚悟せよ」と述べ、ミサイル攻撃が差し迫っているような印象を与えた。
しかしこの発言が批判されたことを受け、12日には「シリアに対する攻撃がいつになるかは言っていない。すぐかもしれないし、全然すぐではないかもしれない!」と軌道修正した。
米英は既に、現地で軍事行動に向けた態勢を整えている。米海軍は巡航ミサイル「トマホーク」を装備した駆逐艦2隻などを配備。英メディアは11日、シリアへのミサイル射程圏内に潜水艦を移動させるよう、メイ首相が命じたと伝えた。