駐豪米大使指名の米軍人に韓国転任案 豪州失望、中国反発か
(CNN) トランプ米政権が駐オーストラリア大使に一度は指名した米太平洋軍司令官の駐韓大使への転任を検討しているとされる問題でターンブル豪州首相は26日までに、急展開となった人事への失望感を表明した。CNN系列局「スカイニュース」に述べた。
首相はハリー・ハリス太平洋軍司令官(海軍大将)について「本当に良き友人であり、来ないことに落胆している。豪州を愛している彼自身もそうだろう」と述べた。
米ホワイトハウスは駐韓大使への転任案を確認していないが、ターンブル首相は今週前半にこの決定を知らされたとも明かした。
駐韓大使は過去1年以上不在となっており、ハリス氏の豪州から韓国への転進案は歴史上初の米朝首脳会談も視野に入れるトランプ政権の朝鮮半島情勢の重視を象徴する形ともなっている。
ただ、豪州内の反米派、親中派を刺激し米国は信頼出来ない同盟国との主張を煽る可能性もある。また、南シナ海での中国の動向に批判的なハリス氏の駐韓大使就任は中国の態度を硬化させるとの指摘もある。
朝鮮半島情勢では最近、首脳外交が加速し今月27日に南北首脳会談、5月下旬もしくは6月初めには米朝首脳会談が予想されている。
韓国はハリス氏の駐韓大使就任を歓迎するものとみられる。延世大学の国際関係論の大学院教授は、韓国は米大統領の立場を代弁出来るなどの器量を持つ大使を欲してきたと指摘した。
ハリス氏の駐韓大使案に反発するのは同氏を批判対象にし続けてきた中国だろう。ハリス氏は南シナ海を含むアジア太平洋地域における中国の動きを非難し、今年2月の公聴会では法に基づく国際秩序を乱していると断じてもいた。