北朝鮮の非核化へ「リビア方式」検討、専門家は危険を指摘
(CNN) 米政府は北朝鮮の非核化に向けた交渉について、「リビア方式」で対応に当たることを検討している。ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)が4月29日に明らかにした。ただし専門家は、リビア方式を北朝鮮に対して持ち出すことは危険を伴うと指摘する。
リビアのカダフィ大佐は2000年代初め、制裁解除と引き換えに核開発計画を放棄することに合意した。それから数年のうちに、カダフィ政権は崩壊し、米政府が支援する反体制派によってカダフィ大佐は殺害された。
北朝鮮情勢に詳しい研究者によると、北朝鮮はカダフィ大佐の事例を引き合いに、金正恩(キムジョンウン)体制を存続させるためには、核兵器のみが米国に対する長期的な抑止力になると主張してきたという。
金委員長は韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領との首脳会談で、朝鮮半島の「完全な非核化」を約束した。ボルトン氏はこれを受け、北朝鮮が国際社会での信頼をどう築くかの実例として、リビアを挙げたと思われる。
ボルトン氏は米CBSニュースに対し、「リビアは我々の疑念を克服するために、米英の査察団が全ての核関連施設に立ち入ることを認めた」と語った。