104歳科学者、安楽死の願いかなえる 「喜びの歌」聴きながら
(CNN) 安楽死の合法化を訴えていたオーストラリアの科学者デービッド・グッダルさん(104)が10日、スイスのクリニックで、自らの人生を終わらせた。支援団体の担当者が明らかにした。
グッダルさんはスイス・バーゼルにあるライフサークル・クリニックで、医師の手助けにより、自ら致死薬を投与した。
安楽死推進団体のエグジット・インターナショナルによると、グッダルさんはベートーベンの「喜びの歌」を聴きながら逝ったという。
植物学と生態学の研究者だったグッダルさんは、一般から寄せられた2万ドルあまりの寄付によって、今月上旬、オーストラリアからスイスへ渡航していた。
死の2日前にはスイスのホテルでCNNのインタビューに応じ、身体が不自由になったことや、視力の衰えも一因となって、5~10年ほど前から人生が楽しくなくなったと振り返っていた。
エグジット・インターナショナルには20年以上前に加入。インタビューでは、死を怖いとは思わない、むしろ「その時が来たら歓迎する」と語っていた。
オーストラリアでは安楽死は合法化されていない。ビクトリア州は2019年半ばから安楽死を認める計画だが、グッダルさんが住んでいた西オーストラリア州では、合法化の是非を巡って論議が続いている。