バチカン高官の枢機卿、性犯罪で正式に起訴 豪治安判事
メルボルン(CNN) ローマ法王庁(バチカン)の財務長官を務めるオーストラリア出身のジョージ・ペル枢機卿(76)が長年にわたり性犯罪を繰り返していたとされる裁判で、予審を担当していた豪メルボルンの治安判事は1日、正式に起訴するのに十分な証拠があるとの判断を下した。
ペル枢機卿は1970年代から複数の性犯罪を繰り返していた罪で昨年6月に訴追されたが、本人は強く否定。フランシスコ法王は「メディアがうわさに基づいて裁く事態は避ける必要がある」と強調し、枢機卿が裁判のために職務を休んで帰国することを認めていた。
治安判事は1カ月に及ぶ予審で多数の証人から証言を聞いた。これに対して弁護側は、枢機卿の名誉を傷付けようとする攻撃だと主張し、「裁判は公費と時間、労力のむだになる」と訴えていた。
判事は複数の訴状のうち半数を棄却する一方、残る半数については正式な起訴に相当すると判断した。
ペル枢機卿は1日、厳重な警備のなかで出廷した。治安判事の判断を聞いても表情を変えず、罪状認否では大きな声ではっきりと「無罪」を主張した。
正式な審理は現地時間の2日午前9時から開始される。