アイルランド、人工中絶を合法化へ 国民投票で賛成多数
ダブリン(CNN) アイルランドで実施された人工妊娠中絶合法化の是非を問う国民投票は、26日に正式な集計結果が発表され、賛成派が圧倒的多数を占めたことが分かった。
選管の発表によると、投票率は64.13%。接戦になるとの予想に反し、合法化を支持する票が66.4%と、反対派の33.6%を大きく上回った。
中絶合法化を強く訴えてきたバラッカー首相は結果を受けた記者会見で、「きょうはアイルランドにとって歴史的な日」「静かな革命が起きた」と述べた。地域や性別、社会的階層や年齢を問わず、ほぼ全ての国民が合法化に賛成したとも語った。
地区別では宗教保守色の強い北西部ドニゴールだけが合法化に反対した。年齢別で合法化を支持しなかったのは65歳以上の層だけだった。数千人の在外有権者も帰国して投票に参加した。
首都ダブリンにあるダブリン城前の広場では、賛成派の市民ら数千人が涙を流したり、抱き合ったりして勝利を祝った。バラッカー氏をはじめ、中絶の権利を主張してきた政治家らの姿もあった。
同国では1983年の憲法修正で中絶が原則禁止とされ、国民投票ではこの修正条項を撤廃するかどうがが問われていた。結果を受けて、議会では妊娠12週以内の中絶を認める法案が可決される見通し。バラッカー氏はテレビ局とのインタビューで、今年中の法案通過に期待を示した。