伊大統領、コンテ氏を首相に再指名 EU懐疑派の政権発足へ
ローマ(CNN) イタリア大統領府は31日、法学者で政治経験のないジュゼッペ・コンテ氏を次期首相に指名すると発表した。同氏は先週の段階でマッタレッラ大統領から首相指名を受けていたが、その後の協議で閣僚人事に関する意見が折り合わず組閣を断念していた。
マッタレッラ大統領も28日には、国際通貨基金(IMF)で局長を務めたカルロ・コッタレッリ氏を首相に指名し、暫定内閣を発足させる意向を示していた。
今回一転して再指名を受けたコンテ氏は、新興政党「五つ星運動」と右派政党「同盟」(旧北部同盟)が連立政権の首相候補に推薦。両党は31日の指名発表の数時間前に、連立政権を立ち上げることで合意した。
一連の動きにより、数カ月にわたって続いたイタリアの政治的不確実性に終止符が打たれる可能性が出てきた。
コンテ氏は31日夕、閣僚名簿を持参して大統領府を訪問。マッタレッラ大統領もこの名簿を受理した。
ただ欧州連合(EU)に懐疑的で大衆迎合的な政策を掲げる政権が欧州4位の規模を持つイタリアに誕生すれば、域内各国の首脳が警戒感を強める公算が大きい。とりわけEUの政治的、経済的統合をさらに進めようとするフランスやドイツとの間では意見の隔たりが顕著になりそうだ。