世界最長の海上橋「港珠澳大橋」<1> 中国のグレーターベイエリア

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(CNN) この夏、開通予定の「港珠澳(こうじゅおう)大橋」は、全長55キロの世界最長の海上橋で、中国の珠海(しゅかい)市と、2つの特別行政区、香港とマカオを結ぶ。

しかし、この橋は2003年に初めて提案されて以来、論議を呼んでいる。コンクリートと鋼鉄でできたこの巨大な橋は、中国が世界最大級の巨大建造物を造る能力を有することを証明するだけでなく、増幅する中国の地政学的野望の強力なシンボルでもあるからだ。

中国と香港や台湾の間で緊張が高まり、さらに中国が南シナ海の領有権を主張し続ける中、港珠澳大橋は、この地域への影響力を行使するという中国指導部の決意の物理的発現ともいえる。

中国のグレーターベイエリア

グレーターベイエリアは、中国中南部に位置する広さ5万6500平方キロの広大なエリアだ。香港、マカオに加え、中国広東省沿岸の9都市を含む計11都市を包含し、6800万人が住む。

港珠澳大橋は、中国が進めるグレーターベイエリア開発基本計画の中心プロジェクトで、中国はこのグレーターベイエリアを技術革新と経済的成功の2つの面で、サンフランシスコ、ニューヨーク、東京のベイエリアに匹敵する規模にまで発展させたい考えだ。地域の統合を推進することで、経済成長が加速するというのが中国政府の描く筋書きだ。

商業不動産専門のコンサルタント会社CBREで香港、中国南部、台湾の調査を統括するマルコス・チャン氏によると、グレーターベイエリアはすでに非常に活気があり、経済的な生産性も高いという。

グレーターベイエリアの面積は中国全体の1%に満たず、人口も中国の総人口の5%足らずだが、中国の国内総生産(GDP)の12%を生み出しており、世界各国と比較しても、グレーターベイエリアはすでに世界で11番目の経済規模を誇るという。

次回「世界最長の海上橋『港珠澳大橋』<2> 無用の長物?」は6月23日公開

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