ポリオ発生情報、WHOが調査で否定 ベネズエラ
(CNN) 世界保健機関(WHO)は15日、南米ベネズエラの一部地域で約3歳児にポリオ患者に特有な症状が出たとの情報に関連し、この幼児の検便調査などを実施したところポリオではないことを確認したと発表した。
ベネズエラでは過去29年間、ポリオ発症の報告はない。同国は現在、政情混乱や深刻な経済危機に襲われ、食糧など生活必需品や医薬品の払底が長引いている。
WHOは声明で、3歳児に触れ、急性弛緩(しかん)性麻痺(まひ)の症状は自然界もしくはワクチン由来のポリオウイルスとは無関係であることが研究所の最終分析で判明したと述べた。3歳児の症状の原因究明に依然当たっているともした。
当初流れた情報では、3歳児はデルタアマクロ州のオリノコ川流域に住む子どもで、今年4月29日に急性弛緩性麻痺の症状を訴え、大きな懸念を持たれていた。同州はベネズエラで予防接種の比率が最も低い地域の1つ。
この症状は15歳以下の子どもらに起きるもので、体の一部を動かす能力の弱体化や喪失を生じさせる。WHOによると、ポリオ監視活動に伴いこの症状は毎年10万件以上が突き止められて調査対象になっている。
ポリオウイルスの世界的な根絶については現在、アフガニスタン、ナイジェリア、パキスタンの3カ国を除いて実現している。