湖でフェリー沈没、192人が行方不明 インドネシア
インドネシア・北スマトラ州(CNN) インドネシア・スマトラ島北部のトバ湖で18日、多数の乗客を乗せたフェリーが転覆、沈没する事故があり、20日までに18人が救助され、3人の遺体が収容された。当局によると192人が行方不明で、生存は絶望視されている。
フェリーには、イスラム教の断食月(ラマダン)明けの休暇に合わせた旅行から帰る家族らが乗っていた。死者、生存者、行方不明者を合わせた乗船者数は213人で、60人の定員を大幅に超過していたとみられる。
多くの乗客が客室内に閉じ込められたまま、フェリーは深さ500メートル以上の湖底に沈んだ。生存者のほとんどは満席の客室に入れず、デッキに乗っていた客だという。現場は悪天候で視界も悪く、捜索作業は難航した。
現場に出動した軍要員の話によると、多くの乗客は泳げず、救命ジャケットの数も不足していた。正式な乗客名簿がないため、当局は駆け付けた家族らの情報を基に不明者の数を推定している。
当局は荒天と定員超過が事故の原因となった可能性を指摘しているが、警察責任者はCNNとのインタビューで、人為的ミスも一因との見方を示した。
フェリーの船長は救助され、身柄を拘束されたという。同責任者は船長の家族が報復を受ける恐れがあるとして、詳しい説明を避けた。
トバ湖は政府が最近、外国からの観光客誘致の重点に指定した10区域のひとつだが、フェリーに外国人が乗っていたかどうかは確認されていない。