世界最高齢の戦闘機パイロットが引退、66歳 豪空軍所属
(CNN) 王立オーストラリア空軍(RAAF)は21日までに、世界最高齢の戦闘機パイロット、フィリップ・フローリーさんが66歳で引退したと発表した。フローリーさんには4人の孫がいる。
RAAFの声明によれば、フローリーさんの軍歴は49年以上と、RAAF97年の歴史の半分以上にあたる。先月には最終飛行を行い、正式に引退したという。
フローリーさんは声明で「特別な日だったが、あらゆる物事には終わりがある。それが今日、私の身にも起きた」「本当に素晴らしかった」と述べた。
自動車情報などを扱うメディア「ザ・ドライブ」によると、以前の最高齢記録保持者はイスラエル人のF16パイロットで、60歳だった。
フローリーさんの総飛行時間は1万時間以上に上り、うち6000時間で戦闘機に搭乗した。
1969年にRAAFの見習いとしてキャリアを開始し、戦闘機パイロットや訓練教官、指揮官の立場に上り詰めた。サウジアラビアに5年間配属されたこともある。
ウィリアムタウン空軍基地で戦闘機パイロットに指導するフローリーさん
最初に搭乗したのは輸送機ハーキュリーズ。その後、戦闘機乗りの訓練課程を経て、ミラージュやマッキ、FA18ホーネットなど多彩な戦闘機を操った。
戦術の進化やデジタル技術の採用など、RAAFの変遷を長年にわたり見てきたが、最も有意義だったのは訓練教官として過ごした時間だったという。航空戦闘群で500人近いパイロットの訓練に携わった実績があり、これが「おそらく自分が達成してきたことの中でベストだ」と話す。
訓練機ホーク127
最終飛行を行ったのは6月29日。飛行隊のメンバーや家族が見守る中、FA18パイロットの養成に使われる訓練機ホーク127で空を飛んだ。