ロンドンの中華街で異例の抗議活動、移民関連捜索に反発
ロンドン(CNN) ロンドンのチャイナタウンで26日までに、中国人の移民社会を狙い撃ちにしたかような在留資格審査などの強硬的な家宅捜索に反発し、料理店約100店が閉店し、従業員ら500人以上が5時間にわたって抗議集会を開いた。
ウェストミンスター地区の内務省庁舎へのデモ行進も実施した。チャイナタウンの中国人団体責任者は不公平な家宅捜索を受ける料理店が増えており、不満や怒りを表明するための抗議行動と主張した。
ロンドンのチャイナタウンではこれまで目立った問題もなく地元に溶け込んだ社会と受け止められており、今回の抗議騒ぎは異例。一部の移民法に対して英国内で高まる懸念を反映した動きとも見られている。
内務省はCNNに声明を寄せ、今年の最初の半年で移民問題の担当者が7度にわたりチャイナタウンで必要な業務を遂行し、違反者19人を摘発したと述べた。
同地区では今月、料理店1店が捜索を受けた際、路上で抗議活動が発生。移民行政管理当局の車両の前で女性1人が地上に横たわる映像がインターネット上でも流れていた。この抗議活動が今回の大規模な閉店やデモ行進につながっていた。
内務省によると、この店の捜索では在留資格の期限切れで4人を、不法入国で1人の計5人を逮捕。地元住民による抗議活動では逮捕者の連行が阻止され、移民行政担当者の1人が後日の検査で足首骨折の負傷が判明したとも述べた。
ロンドンのチャイナタウンはソーホー地区とレスター広場の間に位置し、広さは約1平方マイル(約2・6平方キロ)。1950年代に英国植民地だった香港からの移民が築き始めていた。