リビア沖で移民ボート転覆、100人死亡 赤ちゃん3人の遺体も
(CNN) リビア沖の地中海で29日、欧州を目指す移民を乗せたゴムボートが転覆し、国際移住機関(IOM)によると、100人以上が死亡した。海から引き上げられた遺体の中には、赤ちゃん3人のものも含まれていた。
赤ちゃん3人の遺体は同日、慎重にリビアの岸に運ばれた。遺体の赤ちゃんは明るい色の服に身を包み、ほとんど眠っているように見える。
水際で男性3人の腕に抱えられた赤ちゃんのうち、1人は今もマジックテープでしっかりとめたスニーカーを履いており、もう1人は赤地に白の水玉模様のズボンに合わせて赤い靴下を着用。3人目ははだしで、カバーで体の一部を覆われている。
この報道が浮上するわずか数時間前には、欧州連合(EU)の首脳が移民問題で新たな合意に達したことに歓迎の意を表明していた。合意が機能した場合、地中海を渡る移民数の抑制につながる可能性もある。
IOMによれば、今年に入り既に数百人が地中海を渡ろうとして命を落とした。
一方、EU首脳陣はこの間、海で救助された移民の受け入れなどを巡り対立を続けてきた。欧州域外との境界を強化する方針も言明している。
IOMの報道官は今回のボート転覆について、捜索活動が続いているものの、救出された移民は14人のみだと説明。「5歳未満の子ども3人の遺体が収容された」とした上で、行方不明者数や全体の死者数は今のところ不明だと述べた。
救出された人々がトリポリ東部の海岸に到着
29日にはこれとは別に、推定345人の移民がリビアの沿岸警備隊により同国に戻されたという。
国際医療支援団体「国境なき医師団」は同日、欧州首脳陣に対し良識を示すように要求。海での捜索救助活動を行い、救出した人々をリビアではなく安全な場所に移送することを求めた。
赤丸内の数値は今年初めから6月6日までに到着した移民の数とと昨年の同時期からの変化率。黒字の数値は死者と行方不明者の合計人数