英神経剤事件、ロシア人容疑者がテレビ出演 観光で訪問と主張
モスクワ(CNN) 英南部ソールズベリーでロシアの元二重スパイらが神経剤による襲撃を受けた事件で、英当局が容疑者として逮捕状を取ったロシア人の男2人が13日までに、ロシア政府系テレビのインタビューに応じた。ソールズベリーを訪れた目的は観光だったと主張し、事件への関与を否定している。
アレキサンダー・ペトロフ容疑者とルスラン・ボシロフ容疑者が3月にソールズベリーを訪れた際、同地は厳しい冬の雪に覆われていた。
しかし2人はロシア政府系テレビ「RT」の番組で、モスクワから3日間にわたり渡航した目的は「素晴らしい町」を訪れることだったと主張。ソールズベリーにある大聖堂に加え、古代の巨石遺跡「ストーンヘンジ」や先史遺跡「オールド・サラム」などの史跡を訪れる目的だったと述べた。
インタビュー中には、ソールズベリーの大聖堂にまつわる詳しい知識も披露する場面もあった。
一方で、セルゲイ・スクリパリ氏とその娘ユリア氏の襲撃への関与は全面否定した。スクリパリ氏とユリア氏は、容疑者2人がロンドンへ戻る列車に乗る間に意識不明の状態で発見されている。
英政府は、単なる民間人の観光客だったとする2人の主張を一蹴。メイ首相の報道官は記者団に対し、「ロシア国営テレビのインタビューで出た嘘(うそ)とあからさまなでっち上げは、人々の知性への侮辱だ」とし、襲撃事件の被害者らを深く傷つけるものだと述べた。
ロシアは自国民を国外に引き渡さない方針のため、英国はロシアに対して2人の身柄引き渡しを求めていない。ただ、検察当局は欧州逮捕状を取り、国際刑事警察機構(ICPO、インターポール)に対しても逮捕状の発行を求めている。