インドでジカ熱流行、32人の感染確認
ニューデリー(CNN) インドで蚊が媒介する感染症、ジカ熱の流行がかつてない規模で広がっている。北部ラジャスタン州の州都ジャイプールでは、これまでに32人の感染が確認された。
最初の患者は9月23日、ジャイプール市内の主要観光地に近い地域で確認された。同国保健相は専門家チームをジャイプールに派遣して状況を調べ、対策支援に当たっている。
ラジャスタン州の衛生当局は、感染の疑いがある患者の数は推定できないとしている。最初の患者が確認された地点から半径3キロ以内に住む住民については、毎日全員の検査を行い、陽性反応が出た場合は報告しているという。
感染した疑いがある人についても検査を行うと同時に、同地の蚊を採集して調査を続け、啓発活動にも力を入れている。
世界保健機関(WHO)によると、インドでは2017年1月にもアーメダバードで3人の感染が確認された。地元メディアの報道によれば、同年7月には南部のタミルナドゥ州で男性1人に陽性反応が出た。いずれも感染の拡大は食い止められている。
ジカ熱はブラジルで2015年3月からの大流行が発生し、中米や南米にも拡大した。米疾病対策センターは2018年3月の時点で、少なくとも90カ国・地域でジカ熱の感染が起きていると推定していた。
ジカ熱はネッタイシマカが媒介する感染症で、感染したとしても症状が出ない場合も多い。しかし妊婦が感染すると、先天性小頭症や視覚、聴覚などに障害をもつ子どもが生まれる可能性がある。現時点でジカ熱を予防できるワクチンは存在しない。