サウジ記者殺害疑惑 総領事公邸を捜索、皇太子側近が殺害に関与か
(CNN) サウジアラビアの反体制派記者、ジャマル・カショギ氏がトルコ・イスタンブールのサウジ総領事館に入ったまま消息を絶った事件で、トルコの捜査当局は17日、イスタンブール市内にあるサウジ総領事の公邸を捜索した。この事件では、カショギ氏の殺害にかかわったとされる集団が、サウジ政府の最高指導部と近い関係にあったとする見方が強まっている。
複数の関係者がCNNに語ったところによると、トルコ当局がカショギ氏の殺害に関与したとみているサウジの集団は、情報当局高官が率いていた。この男性は、サウジのムハンマド皇太子に近い人物だったという情報もある。
トルコ当局者はCNNに対し、カショギ氏は領事館内で殺害され、遺体が切断されたと話していた。
トルコの捜査当局は15日にサウジ領事館の捜索を行っていたが、総領事の公邸の捜索に入るのは17日が初めてだった。トルコのアナトリア通信によると、オタイビ駐イスタンブール総領事は16日にトルコから出国した。
総領事公邸の捜索は18日未明まで続いた。発見があったかどうかは明らかになっていない。
トルコ当局によると、カショギ氏が領事館に入った今月2日には、サウジの男性15人の集団がイスタンブールに到着しており、この集団がカショギ氏殺害にかかわった疑いがある。このうち少なくとも数人は、サウジ政府とつながりがあると見られている。
事件に詳しい3人の関係者がCNNに語ったところによれば、この集団を率いていたムハンマド皇太子に近い筋の男性は、サウジの情報機関、サウジアラビア総合情報庁から来ていた。
サウジの関係者によると、トルコ当局が捜査対象としている複数の男性のうちの1人はサウジ外交官の情報当局者で、ムハンマド皇太子に近い人物だった。「王室警護隊のエリート警護部隊のナンバー2だった男で、(皇太子の)身辺警護を担当していた」という。