女性の参拝解禁、信者ら数千人が妨害 警察と衝突 インド
ニューデリー(CNN) インド南部のケララ州にあるサバリマラ寺院で、女性の立ち入りが解禁されたことに信者らが反発し、数千人が立ちふさがって警察などと衝突した。結局、女性は1人も参拝できなかった。
サバリマラ寺院は17日から、数百年に及ぶ伝統としてきた女人禁制を解除した。しかしこれに抗議する信者らが寺院周辺の道路に集まり、寺院への入り口を集団でふさいで、10~50歳の女性の立ち入りを妨害した。
同寺院を巡っては、同国の最高裁が先月、月経期の女性の参拝を禁じていた伝統を覆す判決を言い渡した。これに対し、女性が立ち入れば神聖な寺がけがされると信じる信者らが反発を強め、16日には寺から5キロの場所にある拠点に集結。検問を築いてバスの乗客をチェックし、女性を阻止した。
州警察は17日午前、参拝しようとする女性の身の安全を守るため、警官1300人を配備した。ところがその日午後までにはさらに数千人が抗議に詰めかけ、警官や警察車両を襲撃するなどして、警官隊と衝突した。
この様子を中継しようとしたインドの放送局の女性記者は嫌がらせや暴行を受け、女性記者を乗せたCNN系列局ニュース18の車も襲撃されて退避した。
こうした混乱の中で参拝しようとした女性は1人だけだった。はるばる1000キロを旅して参拝に訪れた女性は、警官に守られながら、子ども2人を連れて検問の通過を試みた。
しかし警察によると、女性は信者らから罵倒されたり暴言を浴びせられたりして、結局は引き返すことを決めたという。
信者らの抗議については、最高裁判決に反発する同州の与党インド人民党も支持を表明している。