ビル・ゲイツ氏、糞便入り容器とともに登壇 北京のイベント
北京(CNN) 米マイクロソフトの共同創業者ビル・ゲイツ氏は6日、北京で開催されたトイレに関するイベントに参加した際、人糞(じんぷん)の入った容器を手に登壇して聴衆を驚かせた。
このイベントは、水や下水道を必要としない未来のトイレの商業化に向けた取り組みの一環で、慈善財団のビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団が主催した。
ゲイツ氏はCNNの取材に対し、現在は裕福な国々が、水や排せつ物を取り込んで処理を行う下水システムを保有していると指摘。こうしたやり方は多くの下水管の設置が必要となるなど、非常に高価で、新興の都市や貧しい都市には導入が難しいとの見方を示した。
世界保健機関(WHO)によれば、屋内便所や野外トイレといった基礎的な公衆衛生施設を持たない人の数は依然として約23億人にのぼる。
ゲイツ氏は手にした容器について、「最大で200兆のロタウイルス、200億の赤痢菌、10万個の寄生蠕虫の卵」が含まれている可能性があると指摘した。
同財団の試算によれば、清潔な衛生施設の欠如のために発生する医療費の増大や生産性の損失といったしわ寄せは2230億ドルにのぼるという。
ゲイツ夫妻は水を使わないトイレの開発を促進するため過去7年間で2億ドルを拠出。この取り組みでは、トイレの1日の運用費用を5セント以下に抑えるほか、外部電源や水を流す必要がないことなどが求められていた。