インドネシア機墜落、前日に計器交換もなお不具合の報告
(CNN) インドネシアのライオン・エアーJT610便(ボーイング737型機)が海上に墜落し、乗客乗員189人全員が死亡した事故について、同機が事故前日、不具合の報告を受けて計器を交換していたことが調査担当者の話で明らかになった。交換後も、別のフライトを終えた操縦士から再度問題が報告されていたという。
インドネシア当局は7日、当該の機体が先月28日に「迎角(AOA)センサー」と呼ばれる装置を交換していたことを確認した。北スラウェシ州のマナドからバリ州のデンパサールへのフライトの後だという。交換を済ませた機体は同日に首都ジャカルタへ飛行したが、この時も操縦士から不具合の報告が寄せられていた。
同機は翌29日、西部バンカ島のパンカルピナンに向かう途中で墜落した。
前日のジャカルタへのフライトに搭乗した乗客はCNNの取材に答え、離陸後まもなく機体の高度が著しく下がったと証言。「離陸して10分後、まるでパワーを失ったかのように高度が落ちた。乗客はパニックになった。120メートルほど落下した」と話した。
ジャカルタに到着後、ライオン・エアーの技術者が機体を点検し、翌日の飛行は可能だとの判断を下したという。
インドネシアの国家運輸安全委員会は今月5日、同機について、墜落時を含む最後の4回の飛行で対気速度計に不具合が発生していたことを明らかにした。AOAセンサーの交換はこの不具合を受けて実施された。 機体を製造したボーイングは6日、AOAセンサーから誤った数値が入ってきたときの対応について解説した速報を各航空会社向けに発表している。