トランプ氏、仏到着直後にマクロン氏批判始める 「欧州軍」構想で
ワシントン(CNN) トランプ米大統領は9日、訪問先のフランスに到着した直後、「欧州軍」創設の構想をめぐりマクロン仏大統領を批判した。
トランプ氏はツイッターで、マクロン氏が米国や中国、ロシアから欧州を守るために軍創設を提案したと言及。「非常に侮辱的だ。欧州はまず、北大西洋条約機構(NATO)の公正な分担金を支払うべきではないか」と述べた。
トランプ氏は週末をパリで過ごし、第1次世界大戦終結100周年の記念式典に参加する予定。
AFP通信によれば、マクロン氏は6日、ラジオで「真の欧州軍」創設を呼び掛けていた。
マクロン氏はまた、トランプ氏の大統領就任以来、米国の同盟国としての信頼性は低下しているとも示唆。1980年代の欧州ミサイル危機後に成立した中距離核戦力(INF)全廃条約からの脱退をトランプ氏が表明したことに触れ、「主に被害を受けるのは欧州とその安全保障だ」と述べていた。
フランス当局高官は9日夜、トランプ氏が文脈を無視してマクロン氏の言葉を引用したと指摘。マクロン氏が10日にも自らトランプ氏のツイートに応答するとみられると明らかにした。
この高官は一方で、マクロン氏は欧州軍創設の意向を示していたわけではなく、欧州の財源がひっ迫する中で調整や資金拠出のあり方を改善したいとの趣旨だったとしている。
さらに、欧州には既に防衛プロジェクトが存在しており、マクロン氏はその増強を望んでいると指摘。「欧州軍創設を提唱していたわけではない」と強調した。