トランプ氏を「決して許さない」、ミシェル夫人が回顧録で言及
(CNN) 米大統領就任前のトランプ氏がオバマ大統領(当時)の出生地を疑問視する運動を展開した件をめぐり、ミシェル・オバマ前大統領夫人が来週発売される回顧録の中で、トランプ氏を「決して許さない」などと記していることが分かった。同書を入手した米紙ワシントン・ポストが8日に報じた。
回顧録の題名は「Becoming」で、トランプ氏への言及の他にも、大統領夫人時代やそれ以前の私生活の詳細を記している。
ミシェル氏はこの中で、トランプ氏がオバマ大統領の米国出生証明書の信ぴょう性を疑問視するうわさを流したことに触れ、「もし精神的に不安定な人物が銃弾を装塡(そうてん)して、ワシントンに向かっていたら? その人物が私たちの娘を狙っていたら?」と言及。「ドナルド・トランプは大きな声で無責任なほのめかしをして、私の家族を危険にさらした。この点で私は決して彼を許さない」とした。
一方、トランプ氏は9日朝、記者団に対し「彼女は本を書くにあたり多額の金を受け取った。彼らは常にちょっとした騒ぎを期待している」と述べた。
そのうえで、オバマ氏が「我々の軍隊にやったこと」は決して許さないと主張。米国を危険にさらしたとの見方を示し、「他の多くの点」でもオバマ氏を許すことは絶対にないと述べた。
オバマ氏の出生地を疑問視した「バーサー運動」について、ミシェル氏は「全てがクレイジーかつ偏狭で、偏見や外国人嫌悪は隠しようもなかった。ただ、あれは危険なことでもあり、頭のおかしな人たちを扇動する意図的な狙いがあった」と指摘している。
同書ではこのほか、女性に関するトランプ氏の下品な発言を聞いて「怒りに打ち震えた」ことに言及。夫とのロマンスや流産や体外受精など子どもを授かるのに苦労した経験を含め、プライベートな葛藤や喜びについても語っている。