マケイン氏の告別式、長女の弔辞に大きな拍手 トランプ氏は不在
(CNN) 8月25日に死去したジョン・マケイン米上院議員の告別式が1日、首都ワシントンの国立大聖堂で執り行われた。オバマ前大統領やジョージ・W・ブッシュ元大統領のほか、マケイン氏の長女メーガンさんが弔辞を述べ、会場から大きな拍手を浴びた。
告別式にはオバマ、ブッシュ両夫妻、クリントン元大統領と妻のヒラリー元国務長官らが列席した。これほど多くの米政界人が党派を超えて集まったのは、昨年1月にトランプ大統領が就任した式典以来のことだ。
しかしトランプ氏本人は故人の遺志で告別式に招かれず、長女イバンカさんと夫のクシュナー大統領顧問、ケリー大統領首席補佐官らが出席した。
オバマ氏は弔辞の中で、トランプ政権下の米政治を「勇ましく強いふりをしているが、実は恐怖から生まれた政治だ」と批判。「ジョンは私たちに対し、そんなに狭い考えではいけない、そんな低いレベルにとどまるなと呼び掛けていた」と述べた。
オバマ氏とマケイン氏は2008年の大統領選で対決した。オバマ氏は、自身の在任中にマケイン氏が時々ホワイトハウスを訪れ、2人で語り合っていたことを明かした。そのうえで「私たちは互いの誠意と愛国心を、そして最終的には同じチームの仲間だということを、疑ったことは一度もなかった」と強調した。
00年大統領選でマケイン氏と共和党候補指名を争ったブッシュ氏も、弔辞で同氏の人徳や国家への尽力をたたえ、「ジョンは何よりもまず、権力の乱用を嫌った。偏狭な人物やいばった暴君を許せなかった」と力を込めた。
メーガンさんは涙をこらえながら、マケイン氏の偉大さは「喜んで国に尽くした父の足元にも及ばない人々からの安っぽいうたい文句とは違う、本物」だと強調。「ジョン・マケインの米国は『再び偉大に』する必要がない。米国は常に偉大だったから」と語った。トランプ氏の「米国を再び偉大に」というスローガンを真っ向から否定する発言に、会場は一瞬静まり返った後、次第に大きな拍手に包まれた。