EU離脱協定案、英閣議で承認 メイ首相が発表
ロンドン(CNN) メイ英首相は14日、欧州連合(EU)との間で暫定合意した離脱条件の協定案について、閣議で承認を取り付けたと明らかにした。
メイ氏は首相官邸前で発言し、5時間にわたる協議の末に閣僚の支持を確保したと発表。「これは決定的な一歩であり、我々が次の段階に移って最終合意に至ることを可能にするものだ」と述べた。
この数時間前の時点では、一部の反対派閣僚が辞任するのではないかとの観測が流れており、その可能性は14日夜になっても残っていた。閣議が終了に近づく中でも、英議会では、与党・保守党内からメイ氏の不信任案が提出される可能性が取り沙汰されていた。
メイ氏は協議が難航したことを認めつつも、今回の決定は軽いものではないと強調。「この国に対する私の責務とは、国益にかなう決定を下すことだ。今回の決定が英国全体にとって最善の利益になるものと固く信じている」と述べた。
内閣の承認でメイ氏には余裕が生まれたものの、問題解消には程遠い状況だ。メイ氏は今後、保守党が過半数を割り込む議会下院で承認を得なければならない。
保守党内では、強硬離脱派とEU残留派の間で溝が深まっている。閣議での承認は始まりに過ぎず、今後も厳しい政治的な駆け引きが続くものとみられている。
強硬派の主な懸念としては、今回の合意により、英国がEUの関税同盟や単一市場の一部に縛り付けられながら、EUの運営について何ら発言権を持たない状況になるのではないかとの点がある。
離脱派の急先鋒、ボリス・ジョンソン前外相は13日夕、ITVニュースの番組で、合意は「属国化につながる」と主張した。