金委員長、新たな戦術兵器の実験を視察 米国を牽制か
ソウル(CNN) 米国との非核化交渉が難航するなか、北朝鮮は16日、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の視察の下で「新たに開発した超近代的兵器」の実験を行った。朝鮮中央通信(KCNA)が明らかにした。
当該の兵器については、新型なのかどうかを含めほとんど情報がない。しかし今回の実験により改めて示されたのは、このまま交渉が進展しないのであれば米国との関係を軍事中心のものに戻すことも辞さないという北朝鮮側の姿勢だ。
米ミドルベリー国際大学院モントレー校の上級研究員、ジョッシュ・ポラック氏は、金委員長について「米国との交渉でより攻撃的な態度に出ようと様子をうかがっている。譲歩するつもりはなく、米国が手法を変えないのならいつでも過去のやり方に立ち戻れるのだというメッセージを送っている」と分析した。
KCNAは実験が行われた場所の詳細を明らかにしていない。兵器自体についての情報もほとんど示さず、「戦術的」なものだという点と、金委員長の父の金正日(キムジョンイル) 氏が自ら開発を命じたということを述べるにとどめている。
今回の実験のような軍事に特化した場に金委員長が姿を見せるのは、今年行われた米朝首脳会談や南北首脳会談後では初めてとなる。