ウクライナ艦船3隻、ロシアが拿捕 ケルチ海峡巡る情勢緊迫化
一方、ウクライナ海軍は、ロシア国境警備艇がウクライナの艦船に対する「攻撃的行動を公然と実施した」と発表。ウクライナ大統領府は「アゾフ海とケルチ海峡を巡る情勢を意図的にエスカレートさせることを狙った行為」だったとしてロシアを非難、国際社会に対し、ロシアに対する追加制裁を呼びかけている。
ウクライナのポロシェンコ大統領は軍事閣議を緊急招集し、厳戒令の発令を議会に求めるとツイートした。ロシアに関して「レッドライン(越えてはならない一線)は存在しない」と述べ、「こうした行為は断固として容認できない」と強調している。
港湾都市マリウポリと黒海を結ぶアゾフ海は、ウクライナ経済にとっての重要な生命線となっている。タス通信によると、2003年の協定では、アゾフ海とケルチ海峡がロシアとウクライナの領海であることを確認していた。
北大西洋条約機構(NATO)報道官は声明を発表し、「ウクライナの主権と領土の保全を全面的に支持する」と表明。ロシアに対し、「アゾフ海に面したウクライナの港湾へのアクセスを妨げないことを保証する」よう求め、「NATOはアゾフ海とケルチ海峡を巡る状況を注視しており、ウクライナ政府と接触している。我々は自制と緊張緩和を求める」とした。
ロシアとウクライナは、黒海に面したクリミア半島をロシアが2014年に一方的に併合して以来、対立が続いている。