孤立部族に殺害された米宣教師、遺体の収容作業が難航 インド
(CNN) インド東部アンダマン・ニコバル諸島で米国人宣教師が地元部族に殺害されたとみられている件で、地元当局は遺体の収容を試みているものの作業は難航している。相手が世界で最も孤立した部族のひとつともされる住民で、衝突を引き起こさないよう慎重を期しているためだ。
宣教師のジョン・アレン・チャウさんが最後に目撃されたのは、地元住民をキリスト教に改宗するため同諸島の北センチネル島へ渡航する際のことだった。同島の住民は長年にわたって、部外者を寄せ付けないことで知られている。
チャウさんについては、漁師が先週、チャウさんの遺体を目撃したと通報していた。インド当局はこの漁師とともに23日と24日、島の近くに行き、どのようにして遺体を収容するのか方策を探った。
アンダマン・ニコバル諸島の警察幹部は、「漁師の助けをかりて周囲の地図を作った。遺体はまだ見つかっていないが、遺体が埋められていると考えられる場所について、おおよその見当は付いている」と述べた。
同幹部によれば、漁師がチャウさんの遺体が埋められたのを見たという地域の周囲を地元部族のメンバーらが弓を持ちながら歩いているのが目撃された。
同幹部は地元部族との衝突を避けるために距離を取ったと説明。人類学者や心理学者と地元部族の性質について協議を行っているという。島に入る前に住民の心理状態などさまざまなことを検討する必要があるとの見方を示した。
同島では2006年に地元の漁師2人が殺害される事件も起きていたが、この時は遺体は収容できていた。この件についても調査を進めているという。