フランス政府、燃料値上げを凍結 各地でデモ暴徒化
パリ(CNN) フランスで燃料価格の高騰に対する抗議デモが続く中、フィリップ首相は4日、来年1月1日から施行する予定だった燃料価格引き上げの凍結を発表する。CNN系列局BFMTVが伝えた。
ガソリンやディーゼル燃料の値上げに端を発した「黄色いベスト」と呼ばれる抗議運動は、マクロン政権に対するデモに発展し、都市部のエリート層と地方の貧困層との対立が浮上している。
マクロン大統領は政治指導部に対し、抗議デモを組織する団体の指導者と会談するよう要請。4日にはフィリップ首相と指導者2人の会談が予定されていたが、同団体によると、この会談は中止になった。
フィリップ首相は、ポーランドで開かれる気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)への出席についても、デモを再燃させる恐れがあるとして見送った。
燃料価格の高騰を巡る抗議デモには、今月1日だけでも推定3万6000人が参加した。政府は燃料価格引き上げの凍結により、デモの鎮静化を図りたい考え。
デモ隊の一部は暴徒化して警察と衝突し、破壊活動などを行ったとして約400人が逮捕された。パリの名所、凱旋門には、黄色いベスト運動を支持する内容の落書きや、マクロン大統領を「金持ちの大統領」と非難する落書きが書き込まれている。
黄色いベスト運動には学生も加わり、ロイター通信によれば、4日には建物への放火や警察との衝突も発生した。
南部トゥールーズ近郊では4日、学校が放火される事件が起きたほか、クレテイユやベルサイユでも学校に近付けなくなった。リヨン、マルセイユ、ボルドー、オルレアンでも衝突が起きたとロイター通信は伝えている。