「我々はニラのように摘み取られる」 中国の中流層の嘆き
さらに、数百万人の中流層の投資家が苦労して稼いだ金を投じた中国の株式市場は、18年1月から25%以上も下落している。
「ニラ」という言葉は、もともと中国の株式市場で1億人という巨大な投資家層を表す言葉として生まれた。環境が成長にとって好ましい時は、熱心なにわか投資家層が、まるでニラのように成長・拡大するが、株価が下落すると、大口投資家は生き残るが、一般の投資家はすべてを失う。
しかし、「摘み取られたニラたち」が市場からの撤退を余儀なくされても、すぐに経験の浅い新たなニラ投資家たちが市場に押し寄せ、退場した投資家たちの穴を埋める。
まな板の上のコイ
米中貿易戦争の終息の見通しが立たず、差し迫った不況への不安が広がる中、中国では多くの人々が貯金に走り、その結果「消費の格下げ」と呼ばれる現象が起きている。
ごく普通の中流消費者であるワンさんも、ひそかに自分のライフスタイルを変えつつあるという。外食する前によく考え、なるべく食料品をまとめ買いし、自宅で自炊するようにしている、とワンさんは語る。
また北京の新興のインターネット会社に勤務するシンさんも、今はまだ生活費の高騰に耐えられるが、恐らくいくつかの大きな買い物は見送ると話す。育児の費用も高すぎるので、子どもをもう1人作るのをあきらめるという。
シンさんは、「ニラというより、まな板の上のコイのような気分だ」と述べ、さらに「われわれは税金、政策決定、現実をそのまま受け入れるしかない」と付け加えた。