子宮移植の女性が出産、死者からの提供で世界初 ブラジル
(CNN) ブラジル・サンパウロ大学の研究チームは、脳卒中で死亡したドナー(臓器提供者)から子宮を移植された女性が、世界で初めて出産したと発表した。
親族から生体子宮移植を受けた女性の出産例は、スウェーデンと米国、セルビアで10例以上報告されているが、死後の臓器提供による出産は世界で初めて。この症例は、4日の医学誌ランセットに発表された。
ブラジルのチームは、2013年に世界で初めて生体子宮移植を成功させたスウェーデン・ヨーテボリ大学が確立した手順に従い、生まれつき子宮のない女性(当時32歳)に対して2016年9月に子宮移植を実施した。
子宮を提供したのは脳卒中で死亡した45歳の女性で、3度の出産経験があることなどからドナーとしてふさわしいと判断された。移植手術は10時間以上に及び、女性は8日間入院して免疫抑制剤を投与された。
手術後5カ月が経過しても拒絶反応の兆候はなく、女性は生まれて初めての生理を経験。医師団は7カ月の経過観察後、受精卵1個を挿入した。
10日後には妊娠が確認され、その後も出産まで子宮は正常に機能し続けた。妊娠から35週と3日たった2017年12月15日、帝王切開で体重約2700グラムの女の子が誕生した。
帝王切開手術では、移植された子宮も同時に摘出した。これは免疫抑制剤の服用を中止できるようにするための措置だった。母子は3日後に退院した。
論文執筆時で誕生から7カ月と20日を迎えた女児は、母乳で育てられて体重は7キロを超えた。母子ともに合併症も異常もなく、間もなく1歳の誕生日を迎えようとしている。