中国の人口、2029年から「際限なく減少」 シンクタンク予測
(CNN) 中国の人口は2029年をピークに「際限のない減少」に転じるとの報告書を、政府系シンクタンクの中国社会科学院が発表した。
世界銀行のデータによれば、中国の昨年時点の人口は13億8600万人。報告書の予想によると、29年に14億4000万人に達してから減少の一途をたどり、65年には1990年代と同水準の11億7200万人まで落ち込むという。
報告書はまた、国内の労働力不足と高齢化が今後さらに深刻化し、社会や経済に大きな悪影響をもたらすと警告している。
中国では40年近く実施していた「一人っ子政策」が15年に廃止され、夫婦1組につき2人の子どもを持つことが認められるようになった。しかし出生率は期待されていたほど上がらず、昨年の合計特殊出生率(女性が生涯に出産する子どもの数)は1.6と、人口の安定を保つのに必要な2.1を大幅に下回っている。
専門家によれば、労働力人口の減少とともに国内の消費需要も縮小し、中国経済のけん引力に頼ってきた世界経済も思わぬ打撃を受ける恐れがある。
報告書は中国政府に対し、人口減少に備えた対策の準備を始めるよう勧告している。