家族から逃れたサウジ女性、カナダが亡命受け入れ
タイ・バンコク(CNN) カナダのトルドー首相は11日、家族からの虐待を理由にタイに逃れていたサウジアラビア人女性について、亡命を受け入れる方針を表明した。
タイ入国管理警察トップによると、ラハフ・クヌンさん(18)は韓国ソウルを経由してカナダのトロントに向かう予定。バンコクで大韓航空の便に搭乗した。
トルドー氏はカナダ中部サスカチュワン州で記者団に対し、国連当局者による要請を受け入れると語った。
クヌンさんの受け入れ先を巡ってはこの日、情報が錯綜(さくそう)し、混乱が生じていた。
タイ入国管理警察トップは当初、CNNの取材に、オーストラリアとカナダの両国が亡命受け入れを表明したと説明したが、その後発言を撤回した。さらに、クヌンさんが亡命要請に使っていたツイッターアカウントも停止し、一段と不透明感が増していた。
米ABCテレビの記者によると、クヌンさんは無事で元気だが、多くの殺害脅迫を受けておりツイッターを一時休止しているという。
クヌンさんは、イスラム教を放棄したため家族に殺される恐れがあるとして、クウェートからタイに逃れた。オーストラリアに渡航する考えだったが、タイ入国管理当局がクウェートへの強制送還を試みたことから、6日には空港ホテルの部屋に立てこもった。
クヌンさんと支持者は主にツイッターを通じて窮状を訴え、世界的な注目を集めた。これを受け、タイ当局は国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)との接触を認め、クウェート送還を取りやめていた。