中国高裁、カナダ人被告の審理差し戻し 一審で懲役15年
北京(CNN) 中国遼寧省の高級人民法院(高裁)は31日までに、一審で麻薬密輸罪の有罪判決を受けたカナダ人男性、ロバート・シェレンバーグ被告の審理差し戻しを命じた。新たな証拠を見つけたとする検察側の主張を認めた。
シェレンバーグ被告が有罪判決を受けた時期や量刑はこれまで明らかになっていなかった。しかし高裁は今回、11月にあった一審判決の詳細を発表。麻薬密輸罪で有罪となり、懲役15年と罰金15万元(約240万円)、国外退去処分を言い渡されていたことを明らかにした。被告は上訴していた。
一方の検察は、シェレンバーグ被告が麻薬密輸で重要な役割を担っていた可能性が「非常に高い」ことを示す新たな証拠を発見したと説明。新たな証拠に照らして一審判決が不当に軽いと主張した。
高裁は検察の意見を採用して審理差し戻しを命じたが、審理の日程はまだ設定されていない。
カナダで今月、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)が逮捕されて以降、中国とカナダの関係は緊張している。中国では孟氏の逮捕後に複数のカナダ人が拘束された。
19日には、カナダのトルドー首相がサラ・マカイバー氏の拘束を確認。中国で拘束されたカナダ人は3人目となったが、カナダ外務省の報道官は、マカイバー氏が釈放されて帰国したと明らかにした。
CNN提携局のCTVによれば、マカイバー氏は教職の仕事に関連する労働許可の問題で拘束された。トルドー首相は、以前に拘束された2人とは異なる通常の事案であり、ファーウェイCFOの逮捕とは関係がないと語っていた。